伝える…次世代へのアプローチ

日蓮宗東京都南部宗務所
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「おつとめ要典」
                         監修  聲明導師 早水日秀
1、おつとめの心得
    
 おつとめをするということは、ほとけさま(ご本尊ほんぞん)と日蓮聖人(にちれんしょうにん)の教えという鏡(かがみ)に、自分の身心(しんしん)を写して日々の生き方を正し、生きてゆく男気を与えて頂くという意味があります。ですから、先ずご本尊にお給仕(きゅうじ)することが肝腎(かんじん)です。お仏壇を掃除し、お灯明を点(つ)け、美しい花を供え、薫(かお)りのよいお線香を立て、心を込めた供物(くもつ)を供えましょう。お仏壇の前に坐ったら、背筋を伸ばして顎(あご)を引き、頭で天を支えるような姿勢を作ります。この姿勢で、ゆったりとした深い呼吸を繰り返し、身心共に落ちついたら、お鈴(りん)を鳴(な)らし、合掌礼拝した後、おつとめを始めます。このとき、「今ここは、ほとけきまの道場である。
そして、読誦(どくじゅ)するお経文の一字−字はすべてほとけさまのお姿であり、唱えるお題目(だいもく)(南無妙法蓮華経) は、ほとけさまのお声である」という思いを持つことが大切です。

2、お仏壇

 お仏壇は、ご家庭にご本尊をおまつりして、日々に法華経を読誦しお題目を唱えて法味を捧(ささ)げ、ご先祖・諸霊位の菩提(ぼだい)を祈(いの)り、家族一同の安穏を祈る大切なところです。
 お仏壇を求めたら先ず第一に、菩提寺にお願いしてご本尊をお受け下さい。どれほど高価なお仏壇も、ご本尊をおまつりしなければ、「位牌壇」であって、「お仏壇」ではありません。

3、ご本尊について

 ご本尊とは、法華経を説かれたお釈迦さま(@久遠実成本師釈迦牟尼仏くおんじつじょうほんししゃかむにぶつ)と、その説法の座に列するA三世十方の諸仏・諸尊・諸天善神などのお姿を、日蓮聖人が文字で書きあらわきれた「B十界勧請(じっかいかんじょう)の大曼荼羅(だいまんだら)」のことで、私たちの信仰の根本・拠りどころです。書かれている内容については、1図を参考にして下さい。
 現在は、日蓮聖人のご真筆を複製印刷したご本尊や菩提寺の住職が拝写きれたご本尊を開眼して、お仏壇におまつりしています。
@久遠実成本釈迦牟尼仏…法華経如来寿量品第十六に説かれているように、お釈迦さまは久遠(永遠)の昔・過去に成仏された仏であり、現在、そして未来にわたって存在し、私たちにとって主人であり、師匠であり、親であるという三つの徳を具えられた、娑婆世界に縁の深い最高の仏であるということ。
A三世十方…過去・現在・未来の三世。東・西・南・北・北東・北西・南東・南西・上・下の十方。
B十界勧請・・・仏界・菩薩界・縁覚界・声聞界・天人界・人間界・修羅界・畜生界・餓鬼界・地獄界の十界の諸仏、諸尊、諸天善神を迎えてまつること。
C曼荼羅…古代インド語の「マンダーラ」の音訳で、本質・神髄・紳聖な場所という意味。漢訳では「輪円具足(りんねんぐそく)」といい、み仏や菩薩たちが清らかな輪のように、完全に欠けることなく集まっているところを意味する。
ご本尊坐配(十界勧請の大曼荼羅)
4、お位碑について

   亡くなられた方の供養のために、お仏壇にお位牌を安置します。安置する場所・順序については、例えば、@先祖代々A祖父母B父母C子供とした場合、2図を参考にして下さい。なお、葬儀の際の白木の位牌は、四十九日忌までの仮りのものですから、忌明けの法事までに正式の位牌を仏具店などに発注して用意し、菩提寺の住職に入魂のお経をあげて頂くようにしましょう。

5、過去帳について

  過去帳は、ご先租のお戒名を命日ごとに書き入れたものです。毎日のおつとめの時に、当日の頁を開け、命日に当たる霊位の回向をします。過去帳への書き入れは、菩提寺の住職にお願いします。

6、合掌と礼拝について

 左右の掌(たなごころ)を合わせて、雑念を払い、礼拝するための形をいいます。 十指と掌を合わせ、中指の先ほのどの高さとし、両方の親指の付け根を軽く胸につけます。十指と掌が離れたり、低くならないように注意しましよう。
 礼韓とは、ほとけさまに帰依するこころを形に
あらわした礼法で、最もうやうやしい形は、「五体頭地礼(ごたいとうちれい)」ですが、檀信徒の皆さんは合掌して頭を下げる礼拝の仕方で結構です。(3図参照)

7、お数珠について

  お数珠を持つことは、自分がいつもほとけさまと共にいることを忘れないようにするためであり、仏教を信じていることのしるしです。宗派によって形はいろいろですが、日蓮宗のお数珠は4図のようになっています。持つときは、二重にして左手の親指と人差し指の間に掛け、房を下げます。(5図参照)
8、お焼香とお線香について

  お焼香とは、仏様に香りを供養することです。6図のように右手の親指と人差し指でお香をつまみ、香灰の上に載せた後、合掌し礼拝します。お線香は、香炉の中央に真っ直ぐに一本立てます。お灯明からお線香に火をつけたら、手であおいで消しましょう。息を吹きかけるのは厳禁です。また、法事や葬式に参列した時は、お焼香をしたときは、お線香は立てなくて結構です。

9、香炉・燭台・花瓶について

 お仏壇の前には、香炉・燭台・花瓶を置きます。香炉や燭台はきれいに掃除し、花瓶の華や水は清潔を保つように心がけましょう。
7図のように、五具足を置く方法と、三ツ具足を置く方法とがあります。

10、鈴(りん)の打ち方

 鈴(りん)を打つときは、バイ(打つ棒)で、強からず弱からず、その鈴の一番良い音色が響くように心掛けます。「大・中・小」と、余韻を聞きながら、三回打つのが基本です。

11、読経について

 お経を読むときは、晴朗な声で、一文一句をはっきりと発音します。厳粛な態度と心構えで読経することが大切です。
 読経するお経文の一文字一文字は、全て仏様のお姿であり、読経する声は、仏様のお声である、と観念しましょう。

宗門聖日

二月  十五日  釈尊涅槃会
二月  十六日  宗祖降誕会
四月    八日  釈尊降誕会
四月二十八日  立教開宗会
五月  十二日  伊豆法難会
八月二十七日  松葉谷法難会
九月  十二日  龍口法難会
十月   十日  佐渡法難会
十月  十三日  宗祖御会式
十一月十一日  小松原法難会
十二月  八日  釈尊成道会
編集後記
 このお経本は、初心者の方が家庭のお仏壇の前で、自分一人でおつとめができるようにと、工夫して作成しました。
 毎日、おつとめをする習慣を身につけ、規律ある充実した日々を送ることが出来るよう、心掛けましょう。
 なお不明な点は、菩提寺の住職にお尋ね下さい。

日蓮上人立教開宗七百五十年慶讃
発  行    平成十三年四月一日
発行者   東京都南部宗務所
編  集   東京都南部聲明師会
監  修   聲明導師早水日秀
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