伝える…次世代へのアプローチ

日蓮宗東京都南部宗務所
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自殺者が急増しています
緊急!
 自殺者が急増しています。
あなたの家族、友人は大丈夫ですか?
@自殺するという人は本当は自殺しない。
A自殺の危険の高い人は死ぬ覚悟が確固としている。
B自殺の危換の高い人には特定の典型的タイプがある。
C自殺について話をすることは危険だ。自殺を話題にすると、
 その危険のない人まで自殺に追い込んでしまいかねない。
D自殺は突然起きるもので、予測は不可能である。
 などと信じていませんか。それらは誤解です。
 自殺についてはほとんど何の対策も講じられていないのが
実情です。正しい認識をもち、適切な対応をすることで自殺は
予防できるのです。

この文書は、多くの人に自殺をめぐる状況を知ってもらうことで、
悩み苦しみ、自ら死を選ぶ人を一人でも救うことができれば
という思いから作成されました。

交通事故死者の三倍以上

 平成十一年の全国の自殺者は二年連続で三万人を超え、過去最悪の記録となりました。この数は交通事故の犠牲者(九千五人) の三倍以上に上り、欧米各国と比較しても自殺率の高い国になっているのが現状です。 また、自殺者の急増は、親を自殺でなくした子供(自死遺児)の増加にもつながり、自死遺児数は交通遺児の四倍にもなっています。
どんな人が自殺するのか

 一般的に自殺者は女性より男性に多いことが知られています。これは男性のほうが、
@自殺の衝動に襲われたとき、その衝動を抑えきれず実際に行動してしまう。
A問題が起こったとき周囲に助けを求めず自分ひとりで解決しようという行動規範が強い。
などの理由があげられます。
 また、自殺未遂に関しては女性のほうが多いのですが、男性のほうが致命的な手段を選ぶ傾向が強いことが自殺者数に表れています。しかし女性の場合も社会進出が進み、男性と同等のストレスを受けるようになり、自殺率は高くなってきています。
 年代別に見ると、中年(四〜五十歳代)の自殺が最も多くなっています。家庭でも社会でも重要な役割を果たすようになると、それに伴いストレスも増してきます。結婚、別居、離婚などの問題とともに、子供や配偶者やそして高齢になった親の問題も出てきます。社会的にも、就職、転勤、昇進、降格、失業など問題が山積することが原因であると考えられます。
 次に多いのが高齢者の自殺です。動機は病苦が突出しています。ただし、必ずしも重傷の場合ばかりではありません。彼らの場合、自殺という行動に出る前に、何らかの体の症状を訴えて、精神科以外
の一般の医師のもとで『救いを求める叫び』を発していることがあります。そのとき、背後に隠された抑うつ状態を正確に診断する必要があります。もし、そうでない場合自殺につながる可能性が高まります。
 青少年の自殺というと「いじめ」が想像されます。しかし、そのことだけを要因と考えるのは危険です。青少年期にはからだが著しく変化するように心も激しく動揺しています。そして、こころの問題はしばしば家族の病理そのものを現わしていることがあります。青少年の自殺の背後には、当人と同じような問題を抱えた家族がいる場合が少なくないからです。青少年の自殺行動は、単に青少年の問題ととらえずに、彼らを囲む家族の問題と考えなければなりません。

 
自殺者を減らすために

 もしも誰かから「自殺する」と打ち明けられたら、誰でも強い不安を覚えます。そして、一般的には、話題をそらす、表面的な激励をする、社会的な価値観を押しっける、しかりつけるなどの反応をしてしまいがちです。しかし、自殺を打ち明けた人のほとんどの場合、誰でもよいから「自殺する」と話しかけたのではなく、この人ならば自分の悩みを聞いてくれるはずだという思いから打ち明けているはずです。その場から逃げ出したくなるのはわかりますが、まず徹底的に聞き役に回ってください。絶望感が伝わってきて不安になり、批判や助言を与えたり話題を切り替えたくなるのをこらえて、まず本人の気持ちをしっかりと受け止めてください。
自殺者の家族や知人に対しての心理的なケア

 自殺は当人だけの問題ではありません。家族をはじめ、強いつながりのあった人たちの心理的な打撃は想像を絶します。ひとりの自殺者には少なくとも五人の人が心理的打撃をうけるといわれています。
「私がそばにいたら」
「私の一言が死に追いやったのでは」
「私が気づいていたら」
など、さまざまな感情を抱き、遺された人たちは自らを責め、心のバランスを崩して自殺の危険さえ高まるといいます。
 わが国では自殺は触れてはいけない話題とされる傾向が強く、自殺が起こつても周囲の人々は何事もなかったように振る舞い、時がたつことだけが心の傷を癒すと考えがちです。誤解と偏見を改め、遺族の問題を社会の問題として取り上げることが大きな課題です。
        *
 自殺は自分の弱さが起こすものだという固定観念を持っていたら改めてください。高速情報化の時代、誰もが社会の変化に置き去りにされ、自殺を思う可能性があります。自殺は個人の問題ではなく、社会の問題として認識し、手を差し伸べる心を育てる必要があります。

本文書の内容は精神科医 高橋祥友氏の著書と資料を参考に作成させていただきました。
  ●白教予防の本●
自殺の心理学高橋祥友=著(講談社
現代新書1997年〉
青少年のための自殺予防マニュアル
高橋祥友=著(金剛出版1999年)
中高年の自殺を防ぐ本高橋祥友=
著(法研2000年)
自殺予防Q&A レスター,D.=著/斎
藤友紀雄=訳(川島書店1995年)
友だちを殺せない君にできること
ネルソン,R.E+ガラス,J.C.=著/那浪か
おり=訳(アスぺクト1997)
生きることと死ぬこと/人はなぜ自殺す
るのか大原健士郎=著(朝日新聞社
1996)

  ●あしなが育英会●
  TEL.(03)3221−0888
 あしなが育英会は自死で残された
子供・妻の文集の配布や、すべての
死因で親を亡くした子供のいやしの
家「東京レインボーハウス」の建設計
画など、遺児たちが仲間と語り合い、
親の死と向かい合って、自分の足で
前を向いて生きていくことができるよ
うに、日常的、恒久的にケアする活動
を続けています。
●精神保健福祉センター●
 地域住民の心の健康の支援をする
施設です。心の病気の悩みに対する
相談やリハビリテーション、心の病気
について社会の理解を促す活動など
を行なっています。都道府県ごとにシ
ステムが違うので詳しくは電話でお
問い合わせください。

   ●いのちの電話●
 年中無休24時間体制で、所定の研
修を受けた相談員に電話で相談でき
ます。名乗る必要はないので、かまえ
ないで、親密度の高い相談が可能に
なります。
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