伝える…次世代へのアプローチ

日蓮宗東京都南部宗務所
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750報告書
唱え始めて750年
なぜ南無妙法蓮華経なのでしょうか。

南部の七五〇

 創業百五十周年、○○会創立五十周年等々、企業や団体が十周年、五十周年ごとに記念式典を行なつたり、イベントを催して、内に向けてはそれぞれの企業やグループへの帰属意識とやる気をたかめ、外へ向けてはその存在をアピールする、イメージアップをはかるというのはよくあることである。

 立教開宗七五〇年。各地でさまざまな大会や記念事業が展開されている。集まった檀信徒の数、二千人、三千人と毎号、日蓮宗新聞紙面に数字が踊っているから、それなりに帰属意識もたかまっているのかもしれないが、さて、外に向けてはどうであろう。たとえば 「立教開宗七五〇年」という標題自体、部外者にとつてはほとんど意味不明なのではないだろうか。

 これまで教区大会の実行等にかかわってきた南部管内の教師の意識は、どちらかというと「題目始唱」に重点がおかれていたように感じている。題目始唱のその時を今に移してその意義を再確認し、そこから事業に取り組みたいというものであった。逆にいえば、七五〇年を迎えることを、祝ったり喜んだりしていられる現状ではないということであり、それが他管区との企画案の違いにはっきりと表れていたように思う。

 題目始唱の時を今に移してみる。檀家などはもちろん、信徒ゼロからの出発である。一人一人が題目の始唱者としての自覚を持つ時ではないのか…。そんな思いがおそらくは全国どこの管区にもないであろう、南部管内のポスターの標題になったように思われる。「なぜ南無妙法蓮華経なのでしょうか」。この素朴で重い問いに応えられる記念事業でありたいと思っている。
七五〇慶讃法要

 平成十三年五月十二日、東京都南部宗務所主催『立教開宗七五〇年 慶讃
法要とインド音楽と舞踊のつどい』と題して宗務所主催慶讃法要が池上本門寺を会場に、第一部法要、第二部清興という形式で奉行された。
 計画に際して、宗務所管内の各聖にどのような法要を行ないたいかという問いかけから出発し協議を重ね、仏讃歌等を取り入れた僧俗一体となって参加できる法要をつくりあげた。

管区慶讃法要 式次第
 入 堂(着座)
 開会の辞
 講 話 「立教開宗七五〇年を迎えて」
 道場荘厳法楽加持
初、師衆昇堂
次、開式の辞
次、仏讃歌 宗歌・開宗会の歌
次、道場偈
次、三宝礼
次、開経偈
次、仏讃歌 日蓮さま・ささぐみあかし
次、納 経
次、献 華
次、慶讃文
次、仏讃歌 蓮の花
次、読 経 自我偈
次、祖 訓 異体同心事
次、唱 題
次、回 向
次、四 誓
次、仏讃歌 三帰依文
次、奉 送
結、師衆退堂

 第一部法要
 当日、本殿は参加者で満席になる中、本門寺学頭 市川智康師による「立教開宗七五〇年を迎えて」と題する講話と、修法師会による道場荘厳法楽加持で第一部法要の部が始まった。
 慶讃法要の導師は中里勝禮宗務所長、式衆は管内組寺から各一名ずつ九名と声明師会からキン座一名の十名の出仕のもと、立正大学「プンダリーカ」、目黒立源寺「カラビンカ」の各仏教讃歌サークルのコーラスを織り交ぜ法要は進む。檀信徒代表による 「お題目写経」の納経と、ボーイスカウトの少年少女による献華の後、導師の慶讃文に立教開宗と南無妙法蓮華経と唱える意味を考えながら、仏讃歌、読経、唱題へと続く。法要前、コーラス指導の磯貝静江先生から仏讃歌の歌唱指導をいただいていたので、六曲の仏讃歌では参列者は心和やかに声を出して歌うことができた。釈尊や祖師の誓願を思い、会場全体が一体となつたひとときであった。

 第二部清興
 第二部では、プレーマダーサ・ヘーゴダ氏らによるシタール、タブラ、タンブラー、エスラージという四種の楽器によるインド音楽演奏と、野火杏子さんらによるインド舞踊をみ仏に捧げ、インドの文化を堪能する。最後に磯貝先生指揮のもと、「ふるさと」など皆がよく知っている歌を参列者全員で合唱し、大堂改修工事中、仮御宮殿に御遷座されている「孝道示現の祖師」尊像を間近に参拝し閉会となつた。
 唱題と音楽を介して今回の法要のテーマの通り「法華経の世界を体感する」一日であつた。


 
バザー&フリーマーケット

バザー&フリーマーケット開催
 平成十三年五月四日、七五〇事業の一環として「自死遺児救済のためのバザー&フリーマーケット」が、池上本門寺朗峰会館駐車場を会場に開催された。雨で一日順延になったにもかかわらず、約三千五百人の人出があった。
 管内寺院から供出された食料品、食器類、衣料品などの売上と、フリーマーケット六十店舗分の出店料とあわせた約百二十万円の収益は、「あしなが育英会」を通して自死遺児の心のケアセンター「東京レインボーハウス建設基金」 に寄付された。
 宗務所では「共に生かしあう社会を目指して」をテーマに、自殺者が増えている深刻な社会問題に対応し、また心に深い傷を追って社会に出て行かなければならない自死遺児の心の救援を目的としてこのイベントを企画した。

自殺問題に関する研修会と資料製作
 バザー&フリーマーケットの準備と平行して、自殺問題に関する研修や バザー当日、展示・配布する資料の製作を行なった。四月三日には、「いのちの電話」で自殺防止のために活躍されている斎藤友紀雄氏を講師にお迎えして「自殺の実態とその予防」というテーマで研修会を開催した。自殺とは何かを学ぶと同時に、日本キリスト教団の牧師でもある斉藤氏から「葬儀にまさる自殺者の遺族への癒しはない。宗教者の心のこもった対応が遺族のなによりの慰めになる」と教えていただいた。また、自殺の実態をひろく知ってもらぅためパンフレットを作成するにあたっては、精神科医として自殺予防の第一線で戦っている高橋祥友氏にご指導と資料の提供をいただいた。
 イベントと研修・資料作成を通して、「共に生かしあう社会を目指して」するべきことはたくさんあるが、道のりは遠い。「南無妙法蓮華経」と唱える意味は、道は遠くとも日々努力することを仏に誓うことではないかと感じた。
社会活動部会の発足

  発足の背景
 現代日本の社会においては「仏教」の位置が著しく低下し、伝統教団、寺、僧侶に対する世間の信頼が崩れている。これは、僧侶の信仰、社会意識、行動の質がそれらを招いた要因として挙げられるが、何よりも寺にこもり壇信徒に対する葬儀・法要に終始し、社会に向かっての布教や活動が少なかったことも一因として挙げられる。例えば、阪神淡路大震災のときには、被災現場に多数のNGO、キリスト教団体、或いは新興宗教団体が展開し救援活動に従事したが、仏教のそれはなきに等しいものであった。七五〇年前に日蓮聖人が唱えられたお題目は、法華経流布による立正安国を目指し、それは社会に向けて発信された。社会活動部会は、この七五〇年目を慶讃するにあたり、これを旧来の打ち上げ花火的イベントに終わらせることなく、仏教に対する社会の認識を少しでも変え、また法華経流布の土壌を耕すためにも、私たちの姿が社会に見える活動檀信徒や未信徒の方々と共に行ないたいとの思いから企画提案され発足した。

 活動と今後の展開
 この会は、東京南部社教会と緊密に連携を取りつつ独自の活動を展開する。そこには国内外における自然災害等に対する緊急救援活動も当然含まれる。現在までの活動は、炊き出し演習、宗門主催の祈りの日「アジアン・フエスタ」への参加協力、日蓮宗ボランティア・ネットワ・−ク研修会への参加等で、本会設立の目的を達成する活動には至っていない。今年は七五〇正当にあたり、設定された今後十年の活動期間を見据え、焦らずにライフワークとなるべき活動を立ち上げていきたい。先のアフガン復興会議で外務省があるNGOを排除し、世界から失笑され汚点を残した。現在NGOの存在は非常に大きい。私たちも寺と檀信徒・未信徒が手を携えて、ささやかながら手作りのNGO活動を育てていきたい。

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