
〜 所報「Nanbu」第2号 〜
被災地傾聴ボランティア
(寄稿)三井妙真上人

初日は、女川総合体育館(遺骨安置所)・雄勝病院・大川小学校に於いて慰霊法要。私たちの想像を遥かに超えた津波の威力は、破壊されたままの建物・樹木によって見せ付けられました。翌朝、七ヶ浜から海に向かって一読。朝日を浴び穏やかな姿を見せるこの海が、八ヶ月前にはこの辺り一帯を呑み込み、多くの人々の命を連れ去ったとは到底思えませんでした。
七ヶ浜中学校・スポーツ広場・女川町東・西の仮設住宅の四カ所で傾聴を目的とした茶話会が行われました。集会所を訪れた住民は皆笑顔でしたが、法話を聞いたり、お茶やお汁粉を頂きながら話をしていくうちに、先の見えない不安な心の内を話してくれました。

傾聴の様子(上)と、おしるこを運ぶ三井上人(下)。傾聴ボランティアは11月16日から1泊2日の日程で行われました。
諸事情により集会所に出てこられない方の為に戸別訪問も行い、漁師の女性が「地元の美味しい牡蠣をご馳走したいので、また二年後にここに来て欲しい」と、先はまだ見えないが明るい未来を語りながら、連絡先を教えてくれました。日が暮れると道路の両側は真っ暗になります。かつてそこに住宅があり、明かりが灯っていたことさえ思い出せないほどに闇が深かったです。